薔薇乙女で素直クール 第二話「 ハッピー・バースデイ 」

素直クールの破壊力を存分に堪能した。
いやクーデレなのか?
 
ここでこういうどうでもいい事を気にしてしまうらいおんさんは、実は知らなかった素直クールとクーデレの違いをあんまり時間が無い中調べることにした。
  
はてなキーワード曰く、

素直クールは、その発展の途中でクーデレという言葉でくくられた時期があったため、
時間と共に『クール→デレへ』と移行するツンデレの亜種と見なされることが多い。
しかし、素直クールという性格はツンデレに見られる『ツン→デレへ』のような動的な性質はなく、態度は時間軸に影響されない。
つまり、最初から全開でデレ(素直)であるが、態度がクールなのである。

となっているが、まーこれだけだとよー分からんので引き続きググって見て色々調べた結果、色々諸説があるようだが一般認識として素直クールとクーデレは全然別物だということは理解できました。
 
 
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――今日の部室はあの喧しい団長様が曰く、
「来週日曜は結構遠出するし、準備があるから今日は帰るわ」
なんて言ったもんだからすこぶる静かである。
その上朝比奈さんは鶴屋さんと勉強会、古泉は定期連絡会とそれぞれに予定があるらしい。
つまり今部室にいるのは俺を除くと、
「……何」
「いーや、なんでもない」
「……そう」
いつもの窓際、いつものパイプ椅子、いつもとはどうやら違うハードカバーに視線を送り続ける寡黙少女だけである。
じゃあ俺は何故部室にいるのか。
一人称的に鑑みたところで明確な解答が生まれてくる事は無さそうだ。
それでいい。
模範の解答なんざこうやって来てしまった以上別にどうでもいい事だし、静かなら静かなりにここを利用する方法はいくらでもある。
「ふぅ」
俺は軽くため息をつくとバッグから見慣れた教科書とノートを取り出す。
何やら谷口が掴んだ情報によるとだ、明日数学の抜き打ちテストが予定されているそうだ。
抜き打ちなのにどうしてそういう情報をあいつが持っているかは不明だが、国木田に土下座混じりの阿鼻叫喚でノートをせびっていた所を見ると、ソースは割かし信憑性のあるものなのだろう。
付け加えるなら一応俺だって学生だ。ボードゲームしたりお茶飲みにきたり襟首を掴まれたりする為には学校へ来ちゃいない。
勉学に励む為、安心安全な将来の為に来ているのだ。
「しっかし……」
範囲は想像出来るが如何せん一問目から苦戦するというのは二行前の志を早速挫かれる。
算数なんざ和差積商の四則演算が出来りゃいいなんて妹……小学生的な言い分を支持するつもりは毛頭無い。
毛頭無いが、流石にこの『無理数』っていうのは文字通り実生活の糧にするのは無理なんじゃないのか……。
「『無理数』の『無理』とは他への使用が難しいという意味ではない。『有理数で無い』から『無理数』」
「……じゃあ『有理数』ってなんだ」
「『有理数』とは端的に言えば『二つの実数[a],[b]を用いて[a/b]という分数の形で表現できる数』」
長門の模範的ご鞭撻は俺のシャープペンを決して動かそうとはしないのが現実だ。
この場合bは0以外である事が必要条件と付け加えられた所で数学に別の要素が加えられ余計に理解が遠のいただけである。
模範解答なんてやっぱくそくらえだ。
「難しく考える必要は皆無」
「……俺はどちらかというとそういう観念的な事よりかこの問題の解き方についての方が知りたいんだが」
「……分かった」
そう言うとそれまで視線を送っていた本を閉じテーブルに置くと、パイプ椅子を運び俺の隣に座る。
「どれ」
「え、えーとだ、まずはこれだな」
「初歩の初歩」
「……すんません」
 
それからどれ位経ったか、窓の外がめっきり暗くなった辺りで一頻り問題を解き終えた。
最初に聞いた問題で悟ったのだろう、それこそ猿でもとは言わんが健全に高校受験を突破したばかりの中学生でも分かる指導を受けることが出来た。これならば明日の抜き打ちとやらもなんとか乗り切れそうである。
「……そろそろ帰るか」
コクリなんて音が出る筈も無いほど小さく頷いた長門は、椅子を戻しバッグを肩にかける。
「……長門
「何」
「すまんな。読書の邪魔をしてしまった」
「いい」
「それでも礼は言わせてくれ。サンキューな」
部室で二人きりで勉強という雰囲気を思い出しなんだか無性に首の辺りが痒くなってきたが、俺はドアノブに手をかけた長門にそう一言言った。
すると長門がこちらを振り返る。
「……私も、あなたに言うことがある」
「なんだ?」
「明日あると噂になっている試験のこと」
「なんだ、長門も知ってたのか」
「あれは虚偽の情報」
……へ?
虚偽……ってことは、嘘ってこと……か?
「そう、明日『抜き打ちテスト』と呼ばれる試験は存在しない」
「な、なんでお前それを」
「情報操作は私の得意分野」
眉一つ動かさず、淡々とさっきまでの数時間を水泡に帰すことをのたまってくれる目の前の宇宙人。
俺は肩の力がどっと抜けパイプ椅子にへたり込む。
「お前、なんでそんなことしたんだ? 意味が分からないぞ」
「意味はある。授業の復習は大事。学生は勉強が本分。あなたが留年若しくは退学になると涼宮ハルヒの観測に重大な問題が発生する」
「はぁ、またお前の親玉さんの仕込みかい、随分回りくどい方法を取ったもんだなおい」
俺の愚痴を他所に、長門は俺の顔をマジマジと見ながらこう呟いた。
「それに、あなたと二人だけで勉強出来た。時間を共有出来た」
 
ドアが完全に閉じられ、控えめな足音が完全に消えるまで俺は何も出来なかった。
どちらが長門の本音だったのだろうか。
どちらが長門の解答だったのだろうか。
「ああもう!」
考えるのやめだ!
考えれば考えるほど全身が毛がそそり立ちそうだ!
模範解答なんか……やっぱ知ったことかよ!
 
(the answer is not found)
 
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以上構想10分入力2時間ちょっと。見直しとか今する気無いのでコメントで突っ込むとかそういうの無しでお願いします。
まぁ上の構文から言うと、
長門素直クール
キョン=クーデレ
という感じでしょうか。これが言いたいだけで書いてみたんです。
 
そういやキョンって、ハルヒにはツンデレ(?)でみくるちゃんにはデレデレで古泉にはツンギレ(???)ですね。
相手によって使い分けられてる時点でアレですね、天然ジゴロですね。リア充死ねよ!
そりゃ舞台高校ですしこの作品に出てくる人物はみーんなリアル十代ですよねってオチ。オチてるのか?